一歩達が最初に歩いたのは１９９９年の９月でした。
あれから、もう１２年の歳月が流れ去りました。

１日目は、地蔵寺の前の遍路宿「森本屋」さんで最初の宿を取って、
サー　歩くぞ！と歩き始めの朝は、叩きつけるような夕立の朝でしたが、この雨をついて私たちは歩き始めたんです。
小１時間ほど歩いて、ヤットの思いで安楽寺にたどりついて一休み、
この時に、一歩の頭陀袋に「唯一歩」と書かしていただいたのが、安楽寺で朱印を捺されている川村さんでした。

「唯一（ゆいいつ）歩くぞ！」
「唯（ただ）一心に歩くぞ！」
と云う気持ちを込めて二人の頭陀袋に篆書で書いたのを思い出す。

この時の頭陀袋は、
その後、九州や山陰路を歩いてすり減り穴が開いたので、
２代目の頭陀袋を使用しているが、
唯一歩・唯一心の原点は安楽寺の川村さんに書かしていただいたことがきっかけなんです。

今ではふたりともペンネームに使わせてもらっていますが大好きな言葉なんです。

このきっかけがご縁で、
今も、年賀状のやり取りをさせていただいているんです。
毎年、目を見張るようなきれいな年賀状が来るので、
額に入れて一年保存しているんです。

今回、安楽寺にお参りして確か川村さん！！だよなー！
と思っても自信がなかったので、
「川村さんはまだお勤めですか」と本人に聞いてしまった。
「私が川村ですが・・・」と返事、
「福山の山田です」と自己紹介をして大笑い、
ヤャー　１２年の歳月を感じてしまいました。

でも、今も元気で朱印を捺されているお姿を見て胸を撫でおろしました。
こういう人には末永くきれいな字を書いて頂きたいもんだと思うのです。

丁度、団体遍路の到着で納経所はごった返していたので、
多くを語り合える時間は取れませんでしたが、
ホッと安らかな時間が流れたと思えてならないのです。

キット・・・こんなのをご縁を頂くと云うのだと思うのです。